まず、フロスの入れ方を見直す

フロスが入らない、きつい、引っかかると感じたら、最初に入れ方を確かめましょう。
厚生労働省の e-ヘルスネットは、フロスを歯に沿わせて、のこぎりのように前後に動かしながら歯と歯の間に入れていく方法を紹介しています。取り出すときも、同じように前後に動かしながら外します。
力を入れてまっすぐ押し込むのではなく、前後に小さく動かしながら、少しずつ進めてください。
フロスがほつれる・切れるとき

同じフロスを使い回していないか
アメリカ歯科医師会(ADA)は、一度使ったフロスはほつれることがあるとして、使い回さずに捨てるよう勧めています。
フロスの種類を変えてもよい
ADA は、ワックス付きのフロスとワックスなしのフロスとで、効果に違いはないとしています。大切なのは種類よりも、どう使うかだとしています。
通しやすいと感じる種類を選んで構いません。
歯と歯の間で起きていること

歯と歯の間には、次のようなものができることがあります。
むし歯
e-ヘルスネットは、むし歯が発生しやすい場所として、奥歯の溝、歯と歯の間、歯ぐきに近い部分を挙げています。これらの場所の歯垢(プラーク)は、取り除くのが難しいためです。
むし歯の治療に使った材料と歯とのすき間に細菌が入り、詰め物の下にむし歯ができることもあります。
詰め物・被せ物の段差やすき間
e-ヘルスネットは、かぶせものやつめものと歯の間に段差やすき間があると、歯垢が付きやすくなり、歯周病を悪化させる原因の1つになるとしています。
歯石
歯垢の中の細菌などは、唾液に含まれるカルシウムやリン酸と結びついて、歯石という軽石のような硬いものになり、歯の表面に付きます。
ADA は、歯石ができると、歯みがきや歯と歯の間の清掃がしにくくなるとしています。歯石は、歯科での清掃でしか取り除けません。
ブリッジのところにフロスが入らないとき
ブリッジは、歯と歯がつながっているため、上からフロスを通すことはできません。e-ヘルスネットは、糸だけのタイプのフロスを、針穴に糸を通すように横から入れて、歯の面に沿って動かす方法を紹介しています。
歯科を受診する目安

次のようなときは、歯科医院で相談しましょう。
- 入れ方を見直しても、同じ場所で引っかかる・切れることが続く
- 以前は通っていた場所に、フロスが入らなくなった
- 詰め物・被せ物のところで引っかかる
- 痛みや出血がある
歯科医師からの臨床ポイント
フロスが同じ場所で引っかかる・切れると相談されたとき、どのような原因を考えますか?
その場所に、むし歯で歯の縁がとがっているところや、被せ物・詰め物と歯との段差、むし歯がある可能性があります。また、被せ物や詰め物を付けるためのセメントが、余分に残っている可能性もあります。
フロスが歯と歯の間に挟まって取れなくなったときは、どうすればよいですか?
もう一度フロスを通すと、挟まったフロスが取れることがあります。場合によっては、無理に取ろうとせず、歯科医院に相談してもよいと思います。
フロスがきつくて入らないときは、どうすればよいですか?
下の前歯は、特に歯石が付きやすいところです。歯石で、歯と歯の間が完全にふさがっている場合もあります。無理に通そうとせず、歯科医院で相談してもよいのではないでしょうか。
よくある質問
フロスが引っかかるのは、むし歯だからですか?
むし歯とは限りません。e-ヘルスネットは、歯と歯の間をむし歯が発生しやすい場所の1つとして挙げていますが、詰め物や被せ物と歯の間の段差、歯石なども歯と歯の間にできます。原因は見た目では分かりにくいため、同じ場所で続くときは歯科医院で確認してもらいましょう。
フロスがすぐ切れます。種類を変えたほうがよいですか?
ADA は、ワックス付きとワックスなしで効果に違いはなく、大切なのは種類よりも使い方だとしています。通しやすいと感じる種類を選んで構いません。一度使ったフロスはほつれることがあるので、使い回さないでください。
フロスが入らないとき、力を入れて押し込んでもよいですか?
押し込まないでください。e-ヘルスネットは、フロスを歯に沿わせて、のこぎりのように前後に動かしながら入れていく方法を紹介しています。
関連する記事
参考文献
- 厚生労働省(健康日本21アクション支援システム/e-ヘルスネット) 歯間部清掃(デンタルフロス・歯間ブラシ)(e-ヘルスネット) (2021)
- 厚生労働省(健康日本21アクション支援システム/e-ヘルスネット) むし歯の特徴・原因・進行(e-ヘルスネット) (2020)
- American Dental Association Dental Floss/Interdental Cleaners (ADA Oral Health Topics) (2026)
- 厚生労働省(健康日本21アクション支援システム/e-ヘルスネット) 歯周病とは(e-ヘルスネット) (2022)
監修日:2026年10月7日
